AGA治療に用いる成長因子「チモシンβ4成長因子(Thymosin-β4)」について解説

AGA治療で用いられる成長因子の1つ、チモシンβ4成長因子(Thymosin-β4)について解説していきます。

チモシンβ4成長因子(Thymosin-β4)とは?

英語表記:Thymosin-β4

チモシンβ4成長因子(Thymosin-β4)は別名オクタペプチドとも呼ばれるアミノ酸で構成されているタンパク質です。主に胸腺から分泌される胸腺因子の一つであり、繊維芽細胞や筋芽細胞などから分泌されるグロースファクターの一種になります。細胞の増殖・分化を促す働きがある事から、育毛・発毛の分野で大きな注目を集めている成長因子の一つです。

<前略>チモシンβ4は、髪成長を典型的に生じるモジュレーターである。 ここで開示されるのは、チモシンβ4のアクチン結合部分(“Tβ4“)、アクチン(例えば、T-3 又は残基7-22)又はいずれか他のアクチン結合ポリペプチドと結合するチモシンβ4配列の配列部分を含む治療的に有効な量のペプチドを対象物に投与することによって、ヒト及び他の動物における髪成長を促進させる方法である。

国立研究開発法人科学技術振興機構バイオサイエンスデータベースセンター / 公表特許公報(A)_アクチン結合ペプチドを利用する髪の成長を促進する方法及び組成物

チモシンβ4成長因子は毛包の膨らみがある部分に存在する成長因子ですが、この毛包の膨らんだ部分には髪の毛を作り出す幹細胞があり、この成長因子はその領域に働きかけて毛包幹細胞の増殖・分化を促進して活性化します。
そのため、チモシンβ4成長因子は毛髪の生成・再生において有効に働くと考えられており、育毛促進に大きな効果が期待できると言うわけです。また、近年の研究で「毛髪の生成・成長には毛乳頭細胞と毛包幹細胞の相互作用が欠かせない事が明らか」と言われており、毛包幹細胞を活性化させるオクタペプチドへの注目度が高まっています。

チモシンβ4成長因子は毛包幹細胞を刺激して活性化する働きから、発毛の鍵となるとも言われている成長因子の一つです。より発毛力のある育毛剤を求める人にとって、この成長因子が配合された育毛剤は要注目でしょう。

チモシンβ4成長因子(Thymosin-β4)の主な働きと作用について

髪の毛の元となる毛母細胞は、毛包のバルジ領域という名前の付けられた場所にある毛包幹細胞というものが毛根に移動すること(これを細胞移動(cellular migration)と呼ぶ)により生成されることが分かっています。この毛包幹細胞は毛根に移動することが無ければ毛母細胞になることも無いので、髪の毛を多く生やしたいと願うのならば、この移動が絶対的な条件となってくるのです。

その移動を促す作用があるのが「チモシンβ4成長因子」であり、このチモシンβ4成長因子が毛包幹細胞を毛根への移動を促す働きをすることにより、髪の生成や再生の効率をぐんと高めてくれるのです。それに加え、チモシンβ4成長因子はコラーゲンの生成も促進してくれますから、生えてきた毛やこれから生える毛・もとから生えていた毛を太く逞しいコシのあるものにしてくれるのです。

また、チモシンβ4成長因子には血管新生作用もあると言われているので、育毛に適した頭皮環境の活性化にも大いに役立つとされています。しかし外皮に塗布しただけでは発毛・育毛に対するこのような絶大な効果も半減してしまうため、髪の生成と再生をつかさどる部分に直接与える必要があります。

チモシンβ4成長因子(Thymosin-β4)の髪に対しての効果

髪の育毛には毛包幹細胞や幹細胞や毛母細胞等の成長や分化や増殖が必要となるため成長因子が欠かせないものとなっています。その成長因子の一つであるチモシンβ4成長因子は髪に対してどのような効果や役割を担っているのでしょうか。

毛根の表皮に近い部分にあるバルジ領域の場所にある「毛包幹細胞」が毛根に移動する事によって、髪の毛の元となる細胞の「毛母細胞」が作られていきます。ですから毛包幹細胞を毛根の方に移動させる必要があり、それを促してくれるのがチモシンβ4成長因子となります。

その他にもチモシンβ4成長因子は血管を新生させる作用も持っていますから頭皮環境を良くする働きがあり、育毛にとって欠かせない役割を担っています。チモシンβ4成長因子と似た成分としてあるのがオクタペプチド-2になりますが、こちらは同じ働きを模倣して作られた合成ペプチドとなります。

このように育毛や頭皮環境を整えるために必要な成長因子となります。バルジ領域には髪の毛の元となる毛包幹細胞があり、それを毛根に移動させて成長や増殖させないといけませんのでかなり重要な役割となります。もし移動しなければ他の機能をもった細胞に分化してしまい意味のないものとなってしまいます。